海苔漁師⚓︎
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海苔漁師の日常〜11月編〜

なべアウトドア
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今回は『海苔漁師の日常〜11月編〜』を紹介します。

元サラリーマンだった私は22年8月から宮城県七ヶ浜の海苔漁師として新たな人生を歩み始めました。

陸から海へ、職種も全く異なるものですが転職して4ヶ月が経ちました。

海苔養殖は冬季が本格シーズンですが、8月から作業は始まっています。

8月〜10月までの作業内容も別記事で紹介しています。まだ読んでない方は是非とも合わせてご覧ください。

今回は11月編です! 是非ともと一読ください。

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11月は『秋芽の初摘み』

10月から沿岸漁場での本養殖が始まりました。

11月は成長具合によって秋芽の初摘みが行われる時期です。

今回も作業内容を時系列に沿って詳しく紹介します。

11月上旬

冷凍網の仮植

10月下旬から沿岸漁場での作業が始まっています。

冷凍された網は解凍後に5枚1組で「仮植」されます。

写真1:仮植

11月上旬は自分たちの漁場に筏を設置し海苔網を仮植していきます。

松島湾で育苗した網の4〜5割を使用し、残りは予備として冷凍しておきます。

海苔網の単張り

仮植した海苔網が成長したら1枚ずつバラして「単張り」をします。

この時に仮植した海苔網の成長が乏しければ回収して陸にあげてしまいます。

11月上旬の時点で40枚の海苔網が成長乏しく回収となりました。

単張りすることで1枚1枚に均等に日光があたり、しっかりと成長していきます。

写真2:仮植網の回収

写真2は仮植して1週間後の海苔網です。

回収した網は船の上で1枚にバラして筏に張り替えていきます

11月中旬

海苔網のブラシング

私がお世話になっている星のり店では網洗い以外に「ブラシング」を行います。

このブラシングを行う理由は2つあります。

1つは成長した海苔網を洗うためです。

松島湾の時と同様に海の汚れが海苔網に付着しているため綺麗にします。

もう1つは刺激を与えて成長を促すためです。

海苔は性質上、一度引きちぎれると前より強く成長しようと努力します。

この性質を利用しブラシングで引きちぎり成長を促し、旨みも引き出すために行います。

この作業をしている海苔屋は珍しいと思います。

写真3:ブラシング機械

ブラシング機会は親方が独自に開発した形状のようです。

ブラシングの様子は動画1をご覧ください。

動画1:ブラシング作業

1回目の摘み取り

10月下旬に張り出した海苔網が成長し1回目の収穫をしました。

中旬にブラシングをしているため他の海苔屋よりも1週間ほど遅い収穫になりました。

収穫時の海苔は写真4の状態です。だいぶ伸びており、色も黒くいい感じです。

写真4:集荷時の海苔の様子

例年では1回目の収穫は色落ち(黒くない状態)が目立つようですが、今シーズンは色が黒っぽく成長しています。

海苔の品質はさまざまな条件で決められますが、色味は黒いほど良い海苔と評価されます。

収穫は専用の機械で海苔網を巻き取りながら海苔を刈り取ります。

写真5:海苔摘み取り機械

船全体に浴槽のような海苔を入れる箱があり、刈り取った海苔が溜まっていくイメージです。

摘み取った海苔は海水を含んでいるのでかなりの重さがあり、うまくバランスを取らないと沈没することもあるそうです。

摘み取りの様子は動画2をご覧ください。

動画2:摘み取りの様子

乾海苔の製造

摘み取った海苔はその日のうちに乾燥機を使用して『乾海苔』に仕上げます。

『乾海苔』「かんのり」ではなく「ほしのり」と読みます。

海苔屋ごとに多少の違いはありますが、大体が同じ工程で乾海苔を加工します。

私のところでは2時間30分で約15,000枚の乾海苔を作ることができます。

写真6:乾海苔

加工された乾海苔は段ボールに梱包され、漁業組合に持っていき色・状態を査定され等級が付きます。

等級は各地域によって異なります。詳細が知りたい方は地元の漁業組合もしくは海苔漁師に聞いてみるといいでしょう。

宮城県は相撲の番付並みに等級が分かれており、見分けも付きませんでした。笑

11月下旬

同じ作業の繰り返し

8月に牡蠣殻から海苔の遺伝子を育て11月中旬に約4ヶ月かかって乾海苔となりました。

乾海苔までが海苔養殖の一連の流れのため11月下旬以降は同じ作業の繰り返しになります。

一度摘み取った海苔網も2週間〜3週間経てば再び収穫できるようになります。

汚れた網は洗い、育ちが悪い網は予備網と入れ替え、収穫時期が来たら摘み取りして乾海苔に加工する作業をシーズンが終わる4月中旬〜末頃まで繰り返し行います。

後片付けと来シーズンの準備

海での作業は天候に大きく左右されます。

そのため海に出れない日が2〜3日続くこともあります。

そんな時は来シーズンの準備をしたり、すでに使用した道具の後片付けを行います。

今シーズンの作業が終わってもすぐに来シーズンがやってきます。

時間がある時に1つずつ整理し余裕を持って来シーズンを迎えることができるようにします。

11月は『一番摘み&乾海苔製造』

今回は『海苔漁師の日常〜11月編〜』を紹介しました。

松島湾で育苗した海苔網を10月下旬から仙台沿岸の漁場に持っていき、本格的に養殖が始まりました。

11月は海苔の成長を見ながら網を張り替えたり、洗ったり管理をするのがメインでした。

その甲斐もあって約4ヶ月かかって乾海苔として出荷することができました。

乾海苔は焼き海苔や味付けのりに加工され、皆様の手元に届けられる状態になります。

それまではまだ少し時間がかかりますが、皆さんの手元に最高の海苔を1枚でも多くお届けできるよう今後もしっかり作業していきます‼︎

今後も海苔漁師の日常を更新していくので是非一読ください。

また次回の記事でお会いしましょう。それでは〜

ABOUT ME
なべ
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海苔漁師/ブロガー
アウトドア大好きな漁師ブロガー♪ キャンプ情報を中心に更新してます! ほかにも漁師の日常・興味があることも発信しています!
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