海苔漁師⚓︎
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海苔漁師の日常〜9月編〜

なべアウトドア
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今回は『海苔漁師の日常〜9月編〜』を紹介します。

元サラリーマンだった私は22年8月から宮城県七ヶ浜の海苔漁師として新たな人生を歩み始めました。

陸から海へ、職種も全く異なるものですが転職して2ヶ月が経ちました。

海苔養殖は冬季が本格シーズンですが、8月から作業は始まっています。

前回は8月の海苔漁師の作業内容を紹介しました。まだ読んでない方は是非とも一読ください。

今回は9月編になります。是非とも継続して読んでいただければ嬉しいです♪

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9月は育苗

8月は陸上採苗がメインでした。詳細は前回の記事を読んでいただきたいのですが、牡蠣殻で海苔の遺伝子(糸状体)を育てる作業をしていました。

9月は冷凍保存していた糸状体を松島湾で育てる育苗がメインになります。

作業の内容を時系列に沿って詳しく説明します。

9月上旬

9月上旬:小舟の準備

9月上旬はまだ海に出て作業はしません。その代わり育苗に使用する道具を準備します。

まず紹介するのは小舟の準備です。

小舟は普段使用している船より2回りほど小さい舟になります。

1枚目が普段使用している船、2枚目が小舟になります。

大きさが異なることが分かると思います。

フォークリフトで港に下ろす作業の写真ですが、育苗以外では使用しないため普段は陸に上げられています。

ちなみに陸から海に降ろす作業は満潮時に行います。

理由は干潮時は高低差が出過ぎてフォークリフトで降ろすのが困難だからです。

9月上旬:浮上筏の準備

小舟同様、9月上旬に筏の準備も行います。

筏とは海に浮かべる道具のことを指しますが、浮上筏は海苔網を松島湾で育てる際に使用する道具です。

育苗は大きく2つの方法があり「支柱式」「浮流し式」です。

支柱式は海底に竹を刺し、竹竿に網を固定する方法です。

浮流し式は海苔網に浮(うき)を付けて浮かべ、浮が流れないようイカリで海底に固定する方法です。

両方とも良し悪しがありますが、私たちは浮流し式を採用しています。

陸上に上げておいた浮上筏をメンテナンスし、船に積み込む準備をします。

9月中旬

9月中旬:空いた時間で網重ね

浮上筏・小舟など大きな道具の準備が終われば少し時間ができます。

そんな時は来年の準備をしちゃいます。

私たちは来年の陸上採苗で使用する海苔網を重ねる作業「網重ね」をしました。

文字通り数枚の網を重ねて縛る作業です。海苔漁師によって重ねる枚数は異なりますが、七ヶ浜では12枚で一丸(ひとまとまり)になるのが一般的なようです。

写真3:網重ね作業風景

9月中旬:松島湾に浮上筏設置

松島湾での育苗は例年だと9月20日前後に解禁されることが多いようです。

それまでは海苔網を松島湾に張ることはできません。

そのため海苔漁師は時期を見て筏の設置作業を始めます。

今年は9月20日が解禁予定だったため、その前に浮上筏の設置に行ってきました。

浮上筏の設置には多くの道具を使用するため、前日に積載し当日は朝早く出発します。

写真4:浮上筏を積んだ船

積載した船は前方が見えにくいのでいつも以上に周囲に気をつけながら操船します。

写真4の浮上筏を合計34艘(そう)松島湾に設置しました。

写真5:浮上筏設置完了
動画1:浮上筏の様子

9月中旬:台風通過まで待機

各地に大きな被害をもたらした台風14号の影響で育苗解禁のタイミングが後ろにずれ込みました。

また平年より気温が高い影響もあり、育苗に適した水温23度以下まで下がりきらず海苔網設置が4日ほど遅れました。

その間、網重ねなど陸上での作業はできましたが海上での作業はできず台風が通過するまで待機することになりました。

待機中は自分のプライベートを充実させ、本養殖前にゆっくり休息とリフレッシュができました♪

9月下旬

9月下旬:海苔網設置

台風が過ぎ9月26日にやっと海苔網を張り出すことができました。

例年より6日遅れでの設置になりました。今後の本養殖に大きな影響がでないことを祈るばかりです。

海苔網の設置は朝早くから行い、昼前には終わります。私たちは3日かけて全部の筏に海苔網を張り出しました。

9月下旬:海苔網干出&網洗い

海苔網の張り出しが終われば干出&網洗いの作業を連日行い育苗をします。

干出とは海水に沈んでいる海苔網を筏で吊り上げて乾燥させることです。

乾燥させる理由は「海苔の子供の成長を促すため」「付着している珪藻等を死滅させるため」です。

網洗いをする理由は「海の汚れ(珪藻・泥など)を落とすため」です。

育苗中の海苔網には海苔の子供が付いており、成長させるためには洗ってあげて定期的に乾燥させることが必要なのです。

写真8:干出&網洗い

この作業は単純作業ですが海苔の品質を決めるとても大事な作業でもあります。

中途半端に乾燥させたり、汚れを落とし切らずに放置しておくと海苔が良く育たず味や見た目に影響が出てしまいます。

そのため海苔漁師たちはいかに網の汚れを落とすか試行錯誤をしています。

私たちは網洗いのためにブラシ船を使用しています。七ヶ浜では私たちだけが使用している方法になります。

写真9〜11はブラシ船を用いた網洗いの様子になります。

ブラシ船は回転ブラシで網を巻き取り、汲み上げた海水を噴水のように放出し網を洗う方法です。

汚れが溜まりやすい下網部分に直接噴射し洗えるため見た目以上に海苔網が綺麗になります。

動画2:ブラシ船で海苔網洗浄

9月は品質を左右する大事な時期

今回は『海苔漁師の日常〜9月編〜』を紹介しました。

陸上採苗で網につけた海苔の遺伝子を育てる作業が育苗になります。

9月は育苗が始まり毎日干出&網洗いを行う大事な時期です。

皆さんの手元に最高の海苔をお届けできるよう今後もしっかり作業していきます。

今後も海苔漁師の日常を更新していくので是非一読ください。

また次回の記事でお会いしましょう。それでは〜

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なべ
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海苔漁師/ブロガー
アウトドア大好きな漁師ブロガー♪ キャンプ情報を中心に更新してます! ほかにも漁師の日常・興味があることも発信しています!
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